畑の作物が食い荒らされる。
夜間、床下や天井裏から、小動物が走り回るような物音がする。
そんな時は、害獣が棲みついている可能性を疑った方がよいでしょう。
でも、駆除や対策は、どうしたらよいのでしょうか。
目次
- 自然豊かな富山
- 害獣駆除依頼が多い野生動物のほとんどは、外来種
- 害獣駆除は、勝手に個人で行うことはできない
- 駆除の許可が出たら、専門業者に依頼するのがおすすめな理由
- 害獣駆除で大事なのが、再発防止対策
- 害獣被害は、放置すると健康被害につながることも。早めの駆除相談が肝心!
- 空から飛んでくる害獣といえば、カラス、コウモリ、スズメバチ
- まとめ
1. 自然豊かな富山
東には雄大な立山連峰、南には森林や田園が広がる富山。
富山は、自然の恩恵をたっぷりと受け、黒部ダムや砺波チューリップ公園など、県内外の人々をその美しい自然で魅了し続けています。
しかしながら、自然の恵みはその美しい景観を私たちに楽しませてくれるだけでなく、多くの野生動物にも注がれています。
野生動物が活発に活動しているというのは、自然が豊かで素晴らしいことではあります。
しかし、動物たちが山々や森で楽しく暮らしている、というだけならよかったのですが、人里、住宅街に下りてくるとなると話は別です。
では、どうして動物たちは、森や山での生活に満足してくれないのでしょうか。
いわゆる人間による山谷の開発や、森林伐採などの、自然破壊が背景にあるのでしょうか。
2.害獣駆除依頼が多い野生動物のほとんどは、外来種
特に被害相談が多い害獣として、ハクビシンやチョウセンイタチ、アライグマ、コウモリなどが挙げられます。
実は、彼らは外来種。
ハクビシンは江戸時代ごろの書物には既に登場していますが、そもそもは毛皮をとるために台湾から持ち込まれたもの。
チョウセンイタチは、日本でも自然に生息していますが、それは対馬でのみ。
対馬以外の地域で見られるチョウセンイタチは、毛皮業者によって海外から持ち込まれたケース、また野ネズミやハブの駆除のために持ち込まれたケースなどがあり、これらが放獣されて定着してしまったと考えられています。
なお、日本にもともと生息しているイタチは二ホンイタチと言い、チョウセンイタチよりも一回り小さいのが特徴。
二ホンイタチは、自然豊かなエリアの草地や川沿いなどで今でも見かけることができます。
アライグマは、ご存知あのアニメの影響でアライグマのペットブームが起き、北米から多く持ち込まれたものが野生化したものです。
このように、外来種は日本の山や森などの厳しい自然環境に適応できなかったり、繁殖力が旺盛すぎて生息域を急速に広げざるを得ず、人里や住宅街に進出してきたと考えられています。
3. 害獣駆除は、勝手に個人で行うことはできない
害獣の被害に気付いたら、もうすぐにでも駆除してしまいたいですよね。
しかし、本ホームページのコラムでも何度も記載しておりますが、日本には鳥獣保護管理法という法律があります。
この法律により、害獣駆除をしたくても、まずは各自治体に届け出て、許可が下りるのを待つ必要があるのです。
「あ、害獣だ! それいけ!」と勝手に捕まえてしまうと、罰金刑や懲役刑が課せられる可能性がありますので、注意しましょう。
しかし、しかるべき申請をきちんと行うと、役所から捕獲器を借りたりすることもできるので、いよいよ害獣駆除を実行できることになります。
「それって、自分で駆除しなさい、ということ?」
そうなのです、ここにもうひとつの注意点があります。
駆除について申請したら、役所の人間が駆除してくれるというわけではないのです。
自分で、害獣が出てきそうなところに捕獲機を仕掛けるなどして、駆除を行う必要があるのです。
4. 駆除の許可が出たら、専門業者に依頼するのがおすすめな理由
では、役所から害獣を駆除してよしという許可が出たら、どう動くのが適切なのでしょうか。
例えば、ホームセンターに行って、駆除作業に使えそうな道具類を、買いそろえればよいのでしょうか。
いえ、おすすめは、害獣駆除の専門業者に依頼することです。
なぜなら、害獣、つまり野生動物は、体表にノミやダニなどの寄生虫や、病原菌などがついていることが多いのです。
個人で捕獲や駆除を行うと、知らず知らずのうちにこうした寄生虫や病原菌に感染してしまう恐れがあり、おすすめできません。
有名なところでは、アライグマ。
アライグマは糞に回虫が寄生していることがあり、これは人間にも感染します。
駆除を行う際、何らかのタイミングで口や鼻から回虫やその卵が体内に入ってしまうと、致死的な中枢神経障害を引き起こす可能性があり、とっても危険なのです。
また、害獣にかみつかれたり引っかかれたりすることで、傷口から感染症にかかってしまう可能性もあります。
その点、専門業者なら、害獣の生態を知り尽くしていますので、しっかり防御・対策したうえで駆除に当たってくれるので、安全で安心ですね。
なお、役所に申請しなくても駆除してよい害獣として、ネズミが挙げられます。
しかし、このネズミの駆除も、専門業者に依頼した方が安全です。
ネズミは、やはりその糞にサルモネラ菌という恐ろしい菌がいることが多く、これも人に感染すると重篤な健康被害をもたらします。
害獣が出たら、まず役所に申請、そして専門業者に依頼。
動物が大好き、扱いに慣れている、という方であっても、害獣駆除にはこのフローに沿って進めていただくのがおすすめというわけです。
5. 害獣駆除で大事なのが、再発防止対策
厳しい自然環境で生きていくのは、野生動物も大変です。
そのため、動物だちには、高レベルの帰巣本能が備わっています。
これは、「この場所が快適で安全だ」ということをしっかり記憶することで、繁殖性や生存確率を高めることができるため。
野生として、厳しい自然の中で命をつないでいくため、適切な時期に適切な場所に行くことができる、この帰巣本能が発達していったと考えられています。
例えば、渡り鳥はこの能力があるからこそ、毎年何百キロも旅ができますし、鮭や鰻は大海に出ていってもちゃんと生まれた川に遡上できるというわけなのです。
つまり、住宅に棲みついてしまった害獣を、煙を焚いたり忌避スプレーなどで追い出しても、翌年にまた棲みつかれてしまうというのは、実によくあるケースなのです。
害獣駆除では、害獣を住宅から追い出すだけでなく、害獣に、「ここには戻ってきてはいけない」と理解してもらえるよう、しっかりと対策することが大切なのです。
対策には、次の2つが挙げられます。
ひとつは、害獣が棲みついていた形跡をきれいに洗浄して消し去ること。
害獣が棲みつくと、抜け毛や排泄物などでどうしても辺り一帯が獣臭くなります。
せっかく追い出しても、害獣はこの臭いをたどって戻ってきてしまう可能性があるのです。
このように、害獣を駆除した後はしっかり洗浄と消毒を行うのが重要です。
ふたつめは、侵入経路をふさぐこと。
害獣の種類によって、屋根と壁のすきまから、あるいは換気扇が侵入口になることがあります。
侵入経路を特定し、金網やネットで塞ぐなどの対策をしっかり行っておけば、万一、害獣が臭いをたどって敷地内に戻ってきたとしても、侵入口がふさがれていれば諦めるでしょう。
庭木の枝も、家に向かって伸びているものがあれば、それが屋根裏への侵入経路になっていた可能性もあるため、切っておくとよいでしょう。
しかし、糞尿の洗浄・消毒、侵入経路の対策は、個人の方が自力で行うのは大変です。
例えば、糞尿や抜け毛には、寄生虫や病原菌がいることが多いです。
しっかりゴム手袋をするなどして洗浄や消毒に当たったとしても、「絶対大丈夫」とは言い切れません。
また、害獣が棲みつくのはだいたい薄暗い天井裏や床下なので、汚れの見落としもあるかもしれません。
また、侵入経路の特定も、野生動物に詳しくない場合、あるいは屋根裏や床下の構造に通じていない場合は、うまく特定に至れない可能性もあります。
害獣駆除の専門業者なら、駆除だけでなく洗浄や消毒、そして侵入経路の特定や対策まで、しっかり行ってもらえるので安心です。
彼らはプロですので、害獣が侵入してきそうな穴の特定は得意分野。
また、糞尿などの洗浄や消毒も、専用の機材や薬品を使ってしっかり行ってくれるので心強いのです。
多くの業者は、見積を無料としています。
害獣被害にお悩みなら、まずは一度、こうした専門業者に相談してみるとよいでしょう。
6. 害獣被害は、放置すると健康被害につながることも。早めの駆除相談が肝心!
「屋根裏に何か棲みついたようだけど、直接私たち住人に悪さしてくるわけではなさそうだから、しばらく様子を見ようか…」
そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、害獣に侵入されたと感じたら、速やかに駆除を検討されたほうがよいでしょう。
まず、害獣のほうから自然に出ていってくれることはありません。
住人が害獣の気配に気づくころには、害獣に「ここはなんて快適なんだ」と認識され、もう既に何日も、あるいは何週間も棲み続けられていた、という可能性が高いです。
居座った日数分、それなりに抜け毛や糞尿をされてしまっている可能性があるので、そのうち臭いにも悩まされることになるでしょう。
多くの場合、害獣が安全な屋根裏や床下に棲みつく目的は、子育てなど繁殖のためです。
つまり、放置しておくと子どもを生んでもっと増えてしまう危険性もあります。
害獣が生む子供の数は、1匹や2匹ではありません。
厳しい自然の中でも子孫が遺せるよう、一度に4~5匹生むのが一般的ですから、そうなると子ども達へのエサやりのため、昼夜を問わず何度も親が出入りするようになります。
また、子どもたちが育てば無邪気に走り回るようになりますので、やがては足音などの騒音に悩まされることになるでしょう。
さらに、心配なのが、多くの住宅が木造である、という点です。
屋根裏や床下に糞尿を繰り返されると、建材は確実に傷んでいきます。
糞尿自体に病原菌やダニ、ノミなどの寄生虫がいることもあって心配ですが、汚損された建材からさらにカビが発生して広がることもあるのです。
「最近、天井に見慣れないシミがある」
そんな時は、建材が糞尿のせいで腐りかけているサイン。
放置していたら、ある日天井が腐って落ちてきた、ということはよくあります。
また、糞尿で発生したカビや寄生虫は、住人に深刻な健康被害をもたらすこともあります。
害獣に棲みつかれたな、と感じたら。
まずは害獣駆除業者に点検に来てもらい、確証が得られたら、その足で役所に駆除の申請に行って許可をもらい、業者に駆除と洗浄、そして対策を依頼するのがおすすめです。
7. 空から飛んでくる害獣といえば、カラス、コウモリ、スズメバチ
さて、ここまで主に哺乳類系の害獣についてご紹介いたしました。
しかし、もちろん空からやってくる害獣に悩まされているご家庭もあります。
ご相談として多いのが、カラス、ハト、コウモリ、そしてスズメバチです。
この中でも、頭がよく、気に入った場所への執着心が強いのが、カラスやハトです。
彼らは、害鳥除けにネットを張り巡らせても、めくったりネットに穴をあけるなどして何としても侵入してこようとするのが厄介なところ。
特にカラスは、記憶力がとてもよいので、追い払おうとする人間の顔をしっかり記憶します。
場合によっては反撃されることもあるので、害鳥駆除に強い業者に依頼するのがおすすめです。
コウモリは、日本には34種存在するのですが、人家に棲みつくのはたった一種類、アブラコウモリのみと言われています。
アブラコウモリは虫を食べてくれるため、かつて益獣として大事にされていたこともあるようです。
しかし、とにかく大量に糞をするため、害獣として駆除を依頼する方が増えてきています。
その場合は、コウモリは棲み処を特定するのがとても難しいので、コウモリ駆除の実績がある専門業者に依頼した方がよいでしょう。
スズメバチは、もう申し上げるまでもなく危険なハチです。
毒針を持ち、毎年20人ほどの犠牲者が出ているほどなので、駆除は必ず業者に依頼しましょう。
特に秋は、女王バチの交代時期なので、働きバチが普段以上に攻撃的になります。
巣をつくられてしまった場合は、速やかに役所や業者に相談するようにしましょう。
まとめ
害獣として近年依頼が多いのは、外来種のアライグマやチョウセンイタチ、そしてハクビシンです。
どれも、屋根裏や床下などに棲みつくことが多く、足音や糞尿の臭いに悩まされることになります。
放置すると、寄生虫や病原菌による健康被害を被ったり、住宅の建材にダメージを与えかねませんので、早めに役所に駆除について許可をもらい、狩猟免許を取得している専門業者に駆除を依頼するのが賢明です。